企業が成長を続けるために不可欠な取り組みとしてDXが推進されています。製造業や建設業の現場においてもDXの一歩として、書類の電子化やペーパーレス化が検討されているケースも多いのではないでしょうか。中でも作業指示書の電子化は、情報共有の円滑化と作業の効率化につながることから、多くの現場で進められています。
今回は、作業指示書の電子化を検討している方向けに、そのメリットやステップ、ポイントをご紹介します。最後には具体的な製品もご紹介していますので、ぜひお役立てください。
作業指示書は、正確さと精密さが求められる製造工程や建築工程に欠かせない文書です。製造や建築の対象物や作業手順、期限などのほか、作業を進めるための注意事項などが記載されています。
従来は紙で運用されていたケースが多くありましたが、近年はDXなどを背景に電子化することによるペーパーレス化が進んでいます。具体的には、作業指示書をPCで取り扱えるようにデータ化し、社内で共有することを指します。
作業指示書をペーパーレス化することで、次のようなメリットが期待できます。
従来の紙による運用では、変更が発生したときにPC上で修正し、再度出力するといった手間がありましたが、電子化することで修正と同時に反映されるため、ほぼリアルタイムで反映可能です。修正し忘れなどを削減し、リアルタイムで現場に指示が行き渡ることで、作業の誤りを防止します。
従来は、作業の進捗や流れを知るために現場へ連絡して、担当者に紙の作業指示書を確認してもらったり、時には責任者が直接現場へ見に行く必要すらありました。
ペーパーレス化により、データで保管・整理ができることから、遠隔地からも確認ができ、必ずしも現場に赴く必要がなくなります。場所問わず作業手順をモニタリングできるようになります。また書類自体の劣化や紛失による再発行の手間とコストも削減できます。
日本語の作業指示書を十分に読むことが容易ではない外国人従業員に対して、従来は逐一翻訳をしていたというケースもあるのではないでしょうか。しかしこれでは手間と時間がかかり、伝達ミスや漏れがあれば作業を円滑に進めることが困難です。
作業指示書を電子化することで、翻訳ツールにも連携させやすいことから、外国人従業員が読める指示書を作成することにも役立ちます。
作業指示書をペーパーレス化することで、従来、印刷ごとにかかっていた用紙やインク、トナー代などのコスト削減につながります。特に紙の運用では、修正のたびに何度も印刷し直していたケースも少なくないでしょう。その場合はさらにコストが増大してしまうため、電子化のメリットが大きくなります。
続いて、作業指示書をペーパーレス化するステップをご紹介します。
まず作業指示書のペーパーレス化の目的を整理します。例えば、わざわざ現場に赴いて確認する手間と時間の無駄を省く、印刷コストを削減し作業を効率化するなどの目的が挙げられます。
1で定めた目的と、自社の環境に合ったシステムの選定を行います。作業指示書のペーパーレス化を行うには、主に次の方法があります。
従来の紙の作業指示書をWord・Excelなどに落とし込み、PDF化するなどして保存し、共有します。
作業指示書をITツール上で作成し、社内の従業員同士で共有し、変更があれば適宜そのツール上で修正を行うことで、リアルタイムの情報変更・共有が可能になります。またスマートフォンアプリなどで閲覧できるものであれば、各人が手元で逐一、作業指示書を確認することも可能です。
何らかの方法で電子化した作業指示書のデータを、現場に設置したディスプレイなどに表示させて、大きく掲出する方法もあります。従来、現場のボードなどに作業指示書を貼付していた場合には、その代替となり、現場作業員にとってこれまでと同様に利用できるので利便性を維持できます。
自社に合ったシステムを選択する上で、コスト面の検討も行います。前もって見積もりを取り、コストとサービス内容のバランスを見極めましょう。
ペーパーレス化に伴い、紙からデジタルの運用へと変わりますが、操作するのは従業員であるため、導入目的の周知とITリテラシー教育を事前に行っておくことが大切です。その結果、スムーズな導入と運用につながるでしょう。
ただ周知するだけでは不十分であり、業務手順マニュアルを作成し、それをもとに研修を実施することも重要です。研修による習得を円滑に進めるためには、はじめから現場担当者にとって使い勝手の良いシステムやツールを選定することも重要です。
作業指示書のペーパーレス化を成功させるためには、次のポイントを踏まえて実施するのをおすすめします。
電子化のためのシステムは自社の環境や現場担当者にマッチするものを選ぶことが重要です。スマートフォンやタブレット端末では画面のサイズ次第で、手順書が見えづらくなるケースもあるため、注意が必要です。見やすさや分かりやすさの点では、電子黒板などのディスプレイに表示するのがおすすめです。
作業指示書をペーパーレス化すると、共有のためにインターネットを使用することもあるでしょう。またクラウドツールであればクラウド上のサーバーにデータを保存することになります。作業指示書は機密文書の一つとなるため、情報漏洩などが起きると大きな損失につながってしまいます。
そのため、徹底したネットワークセキュリティ対策を講じる必要があり、セキュリティ性能の高いシステムを選ぶことが重要です。
作業指示書を電子化した後、サーバ上には数多くの書類データが作成されていきます。あまりにその数が増えると、そのうちデータの所在が分からなくなる恐れもあります。作業指示書が見つからないとなれば、作業効率に直接影響が出てしまうため、注意が必要です。
書類データの保管場所やデータの名称設定のルールなどを取り決めておき、検索性を高めておくのをおすすめします。
作業指示書のペーパーレス化の手段のうち、電子黒板を用いる方法をご紹介しましたが、リコーのインタラクティブホワイトボード(電子黒板)がおすすめです。
インタラクティブホワイトボード(電子黒板)は、ディスプレイとホワイトボードが一体化した製品です。PCなどの端末と接続して画面をディスプレイに表示できる上に、画面に直接書き込みすることも可能です。
インタラクティブホワイトボード(電子黒板)を用いて作業指示書を現場に掲出することで、作業手順の組み換えがあれば、手書きでリアルタイムの修正ができ、作業の誤りを防止できます。作業指示書の紛失を防ぐことも可能です。また、遠隔地からパソコンやタブレットを通じてブラウザで画面を閲覧できるため、どこにいても作業指示書の確認が可能になり、指示が正確に伝わりやすくなります。
リコーのインタラクティブホワイトボード(電子黒板)は、作業指示書のペーパーレス化による活用のほか、ディスプレイ、ホワイトボード、Web会議をはじめとする遠隔地とのコラボレーションツールとしてなど、お客様のお悩みを解決する様々な活用方法があります。ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。