近年はフリーアドレスやハイブリッドワークなどにより、オフィス内の書類の保管や整理に迷いが生じていませんか?
今回は、オフィスによくある書類整理の課題と、実施することのメリット、書類整理のステップ、書類整理をうまく進めるコツ、フリーアドレスやハイブリッドワークなどの新しい働き方における具体的な方法、ペーパーレス化やリモートワーク・ハイブリッドワークの書類整理のポイントなどをご紹介します。
オフィスでの書類整理は、業務を優先することから後回しになりがちです。また面倒に感じやすいものです。
しかし書類整理がきちんとされたオフィスは、多くのメリットを生み出します。
オフィスの書類整理にまつわる課題として、次のことが挙げられます。
オフィス内に放置された大量の紙書類は、そのままでは必要なときに必要な書類を探し出すのが困難です。また従業員が個々に管理している場合には余計に利用しにくくなります。
また機密情報を含んだ書類が整理されていないと、情報漏洩のリスクが上がります。
整理されていれば、必要な書類がすぐに取り出せるため、作業効率が上がり、業務に集中しやすくなります。結果的に生産性向上につながるでしょう。
機密情報が記載された書類が整理されていれば、保管場所も他の書類とは別のところに移せるため、セキュリティを高めることができます。
書類整理がされていればペーパーレス化を進めやすくなり、収納・管理コストの削減に寄与します。
紙の書類をデータ化して共有しておくことで、従業員が必要なときに利用できるため、利用の幅が広がります。
書類整理は、ぜひ社内で進めたい取り組みといえます。そこで書類整理の基本の6ステップをご紹介します。
まずはオフィスに存在するすべての書類を調査し、枚数、冊数などを把握します。把握の際には、実際に棚やキャビネット、デスクの引き出しなどあらゆるところからすべてを取り出すことが重要です。書類は思わぬところに隠れていることもあり、記憶だけではすべてを把握できないこともあります。
まずは「どこに、何が、どのくらい」保管されているのかを正確に把握することを心がけましょう。
次に、書類を一定のルールに従って分類します。
端的に分ければ「必要なもの」と「必要でないもの」になり、必要でないものは処分するのが理想です。
しかし社内の書類の場合、必要か必要でないか(処分していいか)を即座に判断できないものもあるでしょう。例えば、次の種類があります。
会社によって、書類の種類は変わってくると思われますので、できるだけわかりやすく分類するようにしましょう。
必要な書類は改めて分類したまとまりごとに、保管場所を検討します。
処分していいと判断した不要な書類は処分に回しましょう。
書類はできるだけデジタル化(電子データ化)することが、紙書類を減らすために重要です。ペーパーレス化については、後ほど詳しくご紹介します。
必要な書類で保管場所を決めたものは、保管スペースで秩序立てて保管しましょう。ファイルに入れて見出しをつけることで、探す際に見つけやすくなります。
オフィスの書類整理に役立つ収納スペースの種類をご紹介します。
オフィスに備わる、従業員が共有する書類を格納するキャビネットです。
デスクの脇に格納できるサイドキャビネットです。キャスター付きのものであれば、移動しやすくなります。
机下のデッドスペースを有効活用するための机下に棚を作る収納具です。書類を立てかけて収納できます。
キャスター付きのワゴンであり、小回りが利き、すぐに必要な書類を取り出すことができます。
デスク脇に置く両開きのキャビネットです。コンパクトでありながら収納力が高いのが特徴です。
個人向けのロッカーです。フリーアドレスなど固定席がない場合も、個人のロッカーに業務で使うPCや書類などを収納できます。鍵付きなのでセキュリティ性も高まります。
オフィスの書類整理のコツをご紹介します。
書類はジャンルごとに分類し、まとめておくことで見つけやすくなります。バインダーなどへまとめる、インデックスをつけるなどすれば、容易に分類できます。
書類は利用された後に元に返却されないと、次の利用者が困ってしまいます。定位置を決めておき、必要なときにすぐに利用できるようにルール付けすることが大切です。
書類はデータ化すると利便性が向上します。一度に全部をやろうとせず、必要性の高いものから順にデータ化を進めるのをおすすめします。データ化の方法としてはスキャンやAI-OCRなどがあります。
フリーアドレスやハイブリッドワーク、ABW(Activity Based Working/ アクティビティ・ベースド・ワーキング)などの比較的新しい働き方を導入している場合、従来と同じようには書類を整理しにくくなります。そこで、新しい働き方を推進するオフィスにおける書類整理術をご紹介します。
フリーアドレスで固定席がない場合には、各自が所有する書類を保管するスペースがありません。個人ロッカーを決めて、その中に保管してもらう方法が一般的です。
業務を行うときには移動可能なワゴンに、必要に応じて荷物や書類を置いて利用できるようにするのも一案です。
オフィスのキャビネットに書類を保管している場合には、そこから持ち出す際にクリヤホルダーや持ち運び用バッグに入れる運用にする方法もあります。
フリーアドレスの座席の利用ルールを定めておき、利用が終われば紙書類は整理して元に戻す、掃除をするなどの利用ルールを決めるのもおすすめです。
紙書類はできるだけデータ化したほうが新しい働き方にマッチしますが、紙書類のままのほうが良いケースもあります。現状を把握した上でデータ化するべきか紙書類として残すべきかを適切に検討することをおすすめします。
続いては、ペーパーレス化によって実現する書類整理の方法をご紹介します。
ペーパーレス化とは、社内に存在する紙の書類をなくし、生産性向上を図る取り組みです。紙の書類をデジタル化し、検索しやすくしたり、業務で利用しやすくしたりすることで、業務効率化を目指します。その結果、生産性向上につなげます。
ペーパーレス化は、次の手順で実施することができます。
ペーパーレス化の目的を明確にします。ペーパーレス化は単なる書類整理術ではなく、ビジネス課題や戦略に基づく取り組みです。紙書類をデジタル化することで、業務フローが変わり、大きな変革に至ることもあります。
そのペーパーレス化の目的を明確にするには、まずは現状を分析し、紙書類の量や課題などを明らかにすることが大切です。
デジタル化する紙書類を選定し、実施する優先順位を決めていきます。できればすべての書類を一気にデジタル化したいものですが、業務の傍らで行うことであるため、少しずつ進めていくのがおすすめです。
対象の紙書類のうち、保存期間が定められているものがあれば、期間を明確にしましょう。また保存の状態は紙のままなのか、デジタル化しても問題ないかなどを確認しましょう。
紙書類のデジタル化にはツールやシステムを利用します。下記は主なツールの例です。
OCR:画像内の文字をデータに変換する技術
One DriveやGoogle Driveなどのクラウドストレージ:インターネット上のサーバーに保存できるサービス。デジタル化した書類を格納・共有できる。
Microsoft Officeのソフト:Wordなどで作成したデジタル書類は、紙に出力することなく、PDFデータ化して保管できる。
まずはテストとして少量から運用し、紙書類のデジタル化と管理を進めていきます。ある程度、実施して問題なければ本運用に進みます。
紙書類のデジタル化に当たって、業務フローが変更になる業務もあります。例えば社内稟議を紙で実施していた場合は、デジタル化することでフローが変わります。業務フローを見直し、新たなルールを策定する必要があります。
本運用の前に社内周知し、業務フローやルール変更、デジタル化された書類の利用方法などを研修を通じてレクチャーするのもおすすめです。これにより、ペーパーレス化が社内に浸透していきます。
近年は、リモートワークやリモートと出社を両方進めるハイブリッドワークなどの新しい働き方が定着しました。社外での業務の発生により、書類整理は実施方法やルール、注意点などが変わってきます。次のように書類整理を進めていきましょう。
出社したときには、各自、紙書類の書類整理をルール付けすることも一案です。ペーパーレス化が進んでいる場合は、デジタル化を進めるなどのルールも添えましょう。その結果、オフィス内の書類整理が進みます。
リモートワーク中の紙書類の管理ルールを設けておきましょう。例えば在宅勤務の場合は、紙書類をどのように取り扱うか、印刷可否などの明確なルール付けが必要です。紙書類を処分する場合はシュレッダーを必ず使うようにすることも、情報漏洩を予防する観点からも重要です。
リモートワークで自宅や作業場所へ、社内の書類を持ち出す場合には、情報漏洩リスクが高まります。書類の持ち出し・返却ルールを明確に定めておくことも重要です。
オフィスの書類整理を進めるにあたっては、情報セキュリティとコンプライアンスの重要性を充分に理解した上で、行うことが大切です。
情報セキュリティとコンプライアンス担保のためには、リスクマネジメントとして文書管理を徹底することが欠かせません。
文書管理を適切に行っていれば、重要書類の紛失や情報漏洩を予防できます。もし文書管理が適切に行われていなければ、紛失や持ち出しが起こり、さらには必要な書類までも誤って破棄されてしまう恐れもあります。
そうなればコンプライアンス違反が問われ、法律に違反すればペナルティが科されることもあります。
これらのことから、文書管理は重要な取り組みです。
次に、文書管理を進める方法を見ていきましょう。
まず紙書類もデジタル化された書類もすべての文書を把握し、分類します。その後、紙書類はファイリングし、情報セキュリティの観点から適切な保管を行います。また法的要件が科されている場合は遵守します。
文書の整理と共に、検索性の向上を図ること、文書の品質向上を目指すこと、情報共有が円滑に進むためのナレッジマネジメントへも取り組みましょう。
書類整理の課題と解決策、新しい働き方における書類整理術をご紹介しました。
セキュリティの向上のためにもオフィスでの書類整理は必須です。
この一冊で、最新の7つのワークスタイルが分かり、お客様の課題を解決に導きます。
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