リモートワークが進み、オフィスでチームが顔を合わせる機会が減っている中、社内のコミュニケーションや打ち合わせの機会も減っている傾向があります。このような今だからこそ、オフィスでのリアルな会議やミーティングは特に重要と考えられるため、さらにコミュニケーションの機会を創出するためのミーティングスペースの創設は、有効な施策といえます。
今回は、オフィスにおけるミーティングスペースの重要性から種類、ミーティングスペースの活用例、作るポイント、費用や見直しのポイント、ミーティングスペース導入後のよくある課題と解決策、効果の出た事例までご紹介します。
オフィスにおけるミーティングスペースの概念と重要性についてご紹介します。
ミーティングスペースとは、従業員が気軽にミーティングを始められるオープンなスペースを意味します。リモートワークやフリーアドレスなどの新しいワークスタイルが浸透した現代において、オフィスにいるメンバーやリモートワーク中のメンバーが、思い立ったときにすぐにミーティングを行えるのが特徴です。
従来の会議室は、事前に会議のスケジュールを決めて予約し、時間になったら集まるといったスタイルが一般的でした。
しかし、新しいワークスタイルでは、思い立ったときに必要なメンバーが迅速に集まり、意思決定やアイデアのブラッシュアップ、創造性の刺激などが行えることが理想とされています。
そこで、予約なしで手軽にオープンにミーティングを始められ、必要に応じてビデオ会議システムや、デジタル資料を容易に投影できるインタラクティブホワイトボード(電子黒板)などの設備を利用できるミーティングスペースが、新しい働き方に最適とされています。
ミーティングスペースは、ただ気軽に話し合いができる場所というだけでなく、社内コミュニケーションの活性化に不可欠な存在です。リモートワークやハイブリッドワークが定着した現代では、従業員が直接顔を合わせる機会が減り、部門間の連携が希薄になったり、一体感や帰属意識が低下したりするリスクがあります。
ミーティングスペースは、このような課題を解決する重要な役割を担います。従業員が気軽に集まって雑談やブレインストーミングを行うことで、部門を越えた偶発的なコミュニケーションが生まれ、新たなアイデアやイノベーションが促進されます。また、対面でのコミュニケーションは、オンラインでは伝わりにくいニュアンスや熱意を共有する上で効果的です。これにより、チームの一体感が強まり、従業員のエンゲージメント向上にもつながります。さらに、ミーティングスペースは、企業のカルチャーを体現する場としても機能します。オープンな議論を奨励する企業文化を醸成する上で、そのデザインや機能が重要な要素となるのです。
ミーティングスペースは、主に次のような種類があります。
打ち合わせタイプは上司と部下の1on1*ミーティングや報告や相談を行うチームミーティングなどの打ち合わせに適したタイプで、コラボレーションタイプは主にアイデア出しやブレインストーミングに適したタイプです。
打ち合わせタイプは互いに正面を向き合えるような配置、コラボレーションタイプはランダムに配置し、電子ホワイトボードなどの設備があるとスムーズに行えます。
クローズドタイプは個室のように壁やパーティションで囲まれている、音漏れを防ぐタイプです。オープンタイプは、壁などを設けず、開放的な空間の中で行えるタイプです。
着座タイプは椅子やソファに座って行うタイプ、スタンディングタイプは立ちながら高さのあるテーブルを挟んで行うタイプです。
大人数タイプは5人以上の多めの人数に対応するタイプ、少人数タイプは2〜4人の少なめの人数に対応するタイプです。
オフィスのミーティングスペースの活用例をご紹介します。
オフィスのミーティングスペースは、デスクや椅子、ツールを工夫することで、ミーティングのあらゆるシーンに対応することが可能です。例えば、何気ない井戸端会議からちょっとしたミーティングに発展させたいシーンがあれば、井戸端会議のような立ちスタイルによる濃密なコミュニケーションを実現する昇降式のスタンディングデスクを取り入れることも有効です。
立ちスタイルミーティングや会議室に、可動式の縦型ディスプレイを設置すれば、リモートワーク中のメンバーとも気軽につながれます。「あのメンバーの意見も聞いてみよう」といったときも、サッと素早く接続できます。
360度カメラを導入することで、リモート参加のメンバーは、会議室全体を見渡すことができ、メンバーの発言や動作を見逃すことがありません。
ミーティングスペースへ来客者をすぐに迎え入れたい場合もあるでしょう。そんなシーンに対応するためには、ミーティングスペースをエントランスから近い場所に用意することが一案です。社外とのコラボレーションを促進します。
ミーティングスペースを作る成功ポイントをご紹介します。
ミーティングスペースの用途や目的をあらかじめ明確にすることで、必要な種類や設備を決めることができます。
ミーティング中に活発に意見交換や会話が進むよう、ミーティングスペースのデザインや雰囲気は緊張感を和らげるものにしましょう。
ミーティングスペースに据え置くタイプのWeb会議システム端末(Rooms*専用デバイス)や、カメラ付きマイクスピーカー、インタラクティブホワイトボード(電子黒板)などを設置することでスムーズに会議が開始できます。出社せずリモートで仕事をする従業員や外部関係者もリモートでミーティングに参加できます。
ミーティングスペースは気軽にミーティングを開催できるというメリットがある一方、オープンタイプでは、機密情報などが周囲に聞こえてしまう可能性があります。セキュリティ面の対策として音漏れの少ないクローズドタイプを設置するなどを徹底することが重要です。
ミーティングスペースにかかる費用として、次の項目が挙げられます。
実際の費用は規模によって変わるため、まずは目的を明確にした上で、最適なツールを選定しましょう。
ミーティングスペースがどのくらいの効果をもたらしているのかの検証を行いましょう。検証は、従業員へのアンケート調査や直接のヒアリングによって行います。
例えば、
このような項目をヒアリングし、改善点を洗い出します。
一般的な従業員満足度調査を行い、ミーティングスペース導入前後で数値がどう変化したのかを検証するのもおすすめです。
ミーティングスペースを導入したものの、次のような問題が生じることがあります。解決策も合わせて見ていきましょう。
ミーティングスペースを導入しても、組織としてねらった通りの使い方がされていないことがあります。例えば、すぐにミーティングを開始したい場合にオープンなミーティングスペースを利用してもらいたい一方で、いまだに会議室を予約する習慣が根付いており、なかなか気軽に使ってもらえないといったことが挙げられます。
この場合、ミーティングスペースの存在そのものや使い方が社内に充分周知されていないことが原因として考えられます。
そのため解決策としては、まずは社内に周知することが肝心です。ミーティングスペース導入のねらいを経営戦略やビジョンの観点から説明し、具体的な使い方まで正確に伝達しましょう。
実際にミーティングを行ってみたら、会話が筒抜けで、社内であってもあまり聞かれたくない、もしくは周囲に内容が聞こえる場では発言しにくいといった支障が出ることがあります。また来客者も出入りするスペースであれば、情報漏洩の懸念があります。
この場合、明確にセキュリティに関する区分けがされていないことが原因と考えられます。
重要な話し合いは会議室を利用してもらうようにし、セキュリティレベルはそこまで高くないミーティングであっても、利用できるような半個室ブースや防音性の高いパーティションの導入を検討しましょう。特殊な音でマスキングするサウンドマスキングシステムを利用する方法もあります。
個室ブースに長く居座る、飲食している、使用後に清掃や片付けを怠るなどの利用マナーが低下している場合は、原因として利用ルールがない、もしくはあっても社内に周知されていないことが挙げられます。
そのため、利用ルールを明確にし、社内周知を徹底すること、場合によっては研修の機会を設けることも一案です。皆が気持ちよく利用できるようにすることも、ミーティングスペース導入・運用に必要な仕事です。
リコージャパンは、“新しい働き方”ができるオフィスリニューアルを「デジタルサービス」と「ワークプレイスデザイン」を通じてご提案しています。
晴海トリトン事業所では、このRICOH Smart Huddleをコンセプトにリニューアルを行い、新しいワークスタイルを実践しています。
リニューアル時には従来の課題であった、「社員同士のコミュニケーションを活性化したい」や「会議室不足を解消したい」の解決策として、レイアウトを工夫し、複数のミーティングエリアを新設しました。
ミーティングエリアを利用した社員からは「リラックスできる」「意思疎通がしやすい」「一体感が生まれた」などの感想が挙がっています。
結果的に、リアルでもリモートでも社員同士が柔軟につながりあえるようになり、チーム力や生産性向上につながっています。
ミーティングスペースは、新しいワークスタイルの課題を解決し、社内コミュニケーションを円滑にするための重要な役割があります。
リコージャパンでは多様化する経営環境に合わせ、デジタルサービスとワークプレイスを組み合わせた「RICOH Smart Huddle」のコンセプトのもと、働き方のリニューアルをサポートし、お客様のご支援をいたします。
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