昨今、ますます多様性を増している私たちの働き方。特にリモートワークの普及によって、従業員間の物理的な距離が生じ、コミュニケーション不足に関する問題もよく耳にするようになりました。
そして、この現代の働き方に適したコミュニケーション対策について、お困りの方も多いのではないでしょうか。
そこで、本コラムでは、オフィスコミュニケーションを活性化させる具体的なポイントなど、企業がオフィスコミュニケーションを効果的に活性化させるためのヒントや落とし穴を回避する方法を、実際の導入事例を交えながらお伝えします。チーム内のコミュニケーション不足で悩んでいる方は、ぜひこの記事を参考に、コミュニケーションを活性化させるヒントを見つけてください。
はじめに、オフィスコミュニケーションの重要性について見ていきます。
オフィス内のコミュニケーションは、従業員の生産性の向上に直結します。円滑な情報共有は業務効率を促進し、ミスや無駄を減少させます。さらに、チーム内の信頼関係が強化されることで、協力体制が整い、問題解決が迅速に行われます。
効果的なコミュニケーションは、チームメンバー間の信頼関係を築き、情報の共有を円滑にします。これにより、プロジェクトの進行がスムーズになり、問題解決も迅速に行えます。また、意見交換が活発になることで、創造力やアイデアの質が向上し、チーム全体のパフォーマンスが向上します。
円滑なコミュニケーションが図られることで、社員は自分の意見やアイデアを自由に発言できるため、社員満足度の向上につながります。また、上司や同僚との信頼関係が深まることで、仕事の相談など悩みが解消され、安心して働くことができます。
コミュニケーションが不足している職場では、従業員が孤立感や不満を抱えやすくなり、結果として離職率の上昇を招くことがあります。一方で、オープンで健全なコミュニケーションが根付いている職場では、従業員は安心して意見を述べたり、悩みを相談したりできます。良好な人間関係が築かれることで、会社への定着率が高まり、優秀な人材の流出を防ぐことにもつながります。
続いて、オフィスコミュニケーションを活性化させるためのポイントについて見ていきます。
オフィスコミュニケーションを活性化するためには、テクノロジーの活用が不可欠です。チャットツールやビデオ会議システムを導入することで、リアルタイムでの情報共有が可能になります。また、プロジェクト管理ツールを使うことで、タスクの進捗状況を全員で把握でき、効率的な連携が図れます。ITツールを導入することで、物理的な距離を超えてスムーズなコミュニケーションが実現し、チーム全体の生産性向上につながります。
コミュニケーションを促進するオフィスレイアウトを考えることもポイントとなります。オープンスペースや共用エリアを増やすことで、自然な対話が生まれやすくなり、コミュニケーションが活性化しやすくなります。
また、フリーアドレスの導入も効果的です。固定席をなくし、自由に座席を選べる環境にすることで、異なる部署やチーム間の交流が促進され、情報共有がスムーズになります。
定期的なイベントや活動も効果的です。例えば、月次のランチミーティングや、週末のカジュアルな交流会などが挙げられます。これらのイベントを通じて、社員同士の距離が縮まり、自然なコミュニケーションが生まれやすくなります。
次に、企業タイプ別にコミュニケーション活性化のヒントをご紹介します。
特に部下から上司への不満の声が多く聞かれる課題のある企業では、上司と部下の関係を良好にする必要があります。上司と部下は日々密に関わる関係であるため、社内の人間関係の中でも重要度が高いといえます。
上司と部下のコミュニケーション活性化のためには、1on1ミーティングがおすすめです。1対1で30分~1時間程度かけて行うミーティングで、部下の仕事の進捗状況や目標の共有のほか、日ごろの業務の不安やストレスなどメンタル面の共有も可能です。普段言いにくいことでも1対1であれば言いやすいため、より深い関係が構築できるでしょう。
部署やチームの結束は強いことは良いことですが、 コミュニケーションが部署内、チーム内にとどまることが多く、部署やチームをまたいだ関係が構築しにくいことに課題を抱えている企業もあります。
おすすめなのが、フリーアドレスを採用し、固定席を設けないことです。日々、異なる部署やチームの人と顔を合わせて業務を行うことになるため、自然と会話が生まれ、新たな情報や発想を得やすくなります。
リモートワークを採用して以来、社内の気軽な雑談がなくなったことで、社内コミュニケーションに課題を抱える企業も少なくありません。
オフィスにカフェに近しい設備を導入し、カフェスペースを設けます。コーヒーを飲みながらリラックスして自然な雑談が生まれる場所となります。リモートワークの合間に出社した日にそこに集まれば、何気ない会話が生まれ、これまでにないコミュニケーション活性化の効果が生まれるでしょう。
エンゲージメントとは、従業員の企業に対する愛着や忠誠心を意味しており、向上させることで従業員のチームワークの強化やコミュニケーション活性化のほか、モチベーション向上や生産性向上、離職率の改善などにつながります。エンゲージメントを高めるにはどうすればいいのでしょうか。そのアイデアをご紹介します。
チームに対して業績を評価し、表彰することはチームのエンゲージメントを高めるのに有効です。マネジメント層がチーム全体に対するフィードバックを積極的に行うことで、メンバーは「このチームに属していることが誇りを感じる」「もっとチームに貢献したい」という気持ちになり、エンゲージメントが高まります。その結果、よりチームのコミュニケーション活性化にもつながるでしょう。
チャットツールやプロジェクト管理ツールなどを導入し、その中でメンバー同士が自由に話題を設定できるチャンネルを用意しておくのもおすすめの方法です。チャットはできても仕事に関する会話しかできないのであれば、コミュニケーションも限定的になってしまいます。プライベートな話題も含めた自由な会話の場所があることでチーム同士の結束が高まり、エンゲージメントも高まります。
チームメンバーのエンゲージメントは、チームリーダーの日ごろの関わり方によっても大きく変わります。例えば、「自分のことを理解してもらっている」「長所を発揮できる仕事を任せてくれている」といった実感がメンバーに起きるよう、チームリーダーの訓練を行うのも良いでしょう。
コミュニケーション活性化の施策を進める際に、陥りがちな落とし穴とその解決策をご紹介します。
リモートワークやハイブリッドワークが定着する中、コミュニケーションツールの導入は欠かせないものです。一方、ツールを導入しさえすれば活性化するとは限りません。例えば上司と部下の関係を密にしたいのにも関わらず、ただ社内にツールを丸投げして「利用方法は自由です」としてしまうと、従業員は「誰とどんなコミュニケーションを取ればいいのか」分からず、狙った利用用途では利用されないでしょう。
この場合はあらかじめ利用用途やルールを限定することで、期待する成果につながります。
社内コミュニケーション活性化施策というと、どうしても全社的に一斉に施策を行いがちですが、従業員一人ひとりの意識が変わらなければ、社内風土の変革には至らないものです。
例えば、経営層が一人ひとりと向き合って個人面談をして意識合わせをするなどした結果、組織の一体感が醸成され、コミュニケーション活性化につながった例もあります。
全社的な対策と共に、個別対応についても検討しましょう。
コミュニケーション活性化の具体的な第一歩として、次の点から取り組むことをおすすめします。
コミュニケーション活性化施策は数多くありますが、自社の現状に最適なものを行わなければ効果が期待できません。現状、何が問題なのかを把握し、課題を明確にすることが第一歩です。
現状把握の際には、ぜひ従業員の生の声に耳を傾けましょう。個別ヒアリングはもちろん、アンケート調査でも構いません。社内コミュニケーションに関して、普段、抱えている悩みを吸い上げることで、最適なコミュニケーション術が見えてくるはずです。
現状把握を行うと、多くの課題が見つかることがあります。焦ってあれもこれも手を出してしまうと、一つひとつの課題が軽視されてしまうこともあるでしょう。優先度の高い課題への解決策から進め、ツール導入などについても段階的に実施していき、最終的に全社に広げていくことが成功への近道となります。
ここではオフィスコミュニケーションを活性化させた企業様の実際の取り組みを見ていきます。
広大な工場の隅々まで情報を届けていくために休憩所を中心に、43台のデジタルサイネージを設置しました。健康促進、レクリエーション活動、食堂メニューなどのほか、スマートフォンの持ち込みに制限のある工場内でも最新の情報に触れられるようニュースや天気予報を配信しています。
導入後のアンケートで多くの従業員が工場内の交流が深まったと回答しました。コロナ禍で集合型の式典やイベント開催が困難な中でも情報を工場全体に行き渡らせ、コミュニケーション活性化を促進するツールとしてデジタルサイネージが幅広く活用されています。
事業拡大に伴い本社社屋を新築移転。執務エリアには、集中ブースやカウンター席、ビッグテーブルなど様々なコーナーを配置し、働き方を自由に選べるスタイルを導入しました。さらに、「MsCAFE(株式会社エムズコーポレーション様のオフィス内の一部スペースの社内名称)」としてワンフロアを贅沢に使った空間を設け、リフレッシュスペースとしてはもちろん、お客様との打ち合わせや地域の方を招いたイベント会場としても活用が見込まれています。壁をできる限りなくしたオープンな空間で、社内も明るくオシャレになり、活気のある職場になりました。
本コラムでは、オフィスコミュニケーションの重要性から活性化のポイント、陥りがちな落とし穴と解決策、施策を講じる第一歩、成功事例まで幅広く解説しました。「従業員の生産性向上」や「チームワークの向上」など、オフィスコミュニケーションの活性化は、企業にとって得られるメリットがたくさんあります。これからより良い職場環境を目指す企業にとって、オフィスコミュニケーションの活性化を図ることは、重要な取り組みの一つとなるでしょう。
リコージャパンでは多様化する経営環境に合わせ、デジタルサービスとワークプレイスを組み合わせた「RICOH Smart Huddle」のコンセプトのもと、働き方のリニューアルをサポートし、お客様のご支援をいたします。
“新しい働き方”をお客様と一緒に考えながら、オフィス移転やリニューアルを、計画から理想の働き方が実行されるまで、プロジェクトマネジメントの業務も含めワンストップでご支援いたします。
また、オフィスデザインやレイアウト、コミュニケーションツールを活用した職場環境作りで、オフィスコミュニケーションもサポートいたします。
「RICOH Smart Huddle」の詳細は、以下よりご覧ください。
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